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2023/03/17

木三原さくら

恋して競輪ハンター

恋して競輪ハンター

木三原さくら「恋して競輪ハンター」129 Hunting

日に日にというより、一気に春の陽気が訪れ、東京でも桜の開花宣言がありました。花粉症と戦いながらも、外に出かけたくなる季節になりましたね。と言いつつ、優雅にお花見の計画を立てるなどということはなく、この気候に対応するべく慌ただしく衣替えや、春物の準備をしている日々です。
「新生活」「新年度」などと表現されるこの時期は、新しく何かを始めようと思う気持ちが「新年」に並んで強くなるのは私だけでしょうか。春は始まりの季節。寒い冬を耐え抜き、一歩いつもより大きく前へ進んでみようと思わせてくれる__。春には、そのような力がある気がします。

平塚でも、新たな春を感じるレースがありました。
先日、行われた平塚競輪。F1戦としては、今年度最後の開催でした。このシリーズのS級戦は、神奈川勢の層が厚く、各レースで本命選手になるような選手が多く斡旋(あっせん)されていました。予選、そして初日特選から進み、準決勝でも、神奈川の選手が多く勝ち上がり、決勝戦は神奈川5車、そして近畿2車というメンバー構成になりました。
競輪ファンの皆さんなら、ご存じの方も多いと思いますが、南関地区は決勝戦で長いラインを作ることがあります。もちろん、勝ち上がりのメンバーによることも多くありますが、3車以上、4車、5車と並ぶことは、南関地区にとって、珍しいことではありません。
今回の決勝は、神奈川同県5車で結束。7分の5で並べば、「もう優勝は神奈川からでしょ」と思うのが競輪ファンであり、「いや、そんな簡単じゃないでしょう」と思うのも、また競輪ファンですよね。
結果としては、前を回った松井宏佑選手が、しっかりと突っ張り先行。そして、番手から北井佑季選手が抜け出して地元優勝を勝ち取り、1番人気での決着となりました。

北井佑季
北井佑季選手

二人の並びは、昨年末の平塚で行われた寺内大吉記念杯競輪では逆でした。決勝戦で、北井選手の番手から松井選手が切り替えて優勝しています。そして今回は松井選手が前で北井選手の優勝。競輪ですね~。ラインを固めた和田真久留選手、青野将大選手、佐藤龍二選手がいて、神奈川でそういうレースをしっかり決める。かつて、湘南ダービーの決勝で流した悔し涙は、もう遠い昔のこと、そのように思わせてくれる走りでした。
これがグレードレースになり、9車になれば、また話は違うかもしれません。それでも、勝たなければいけない場面を、しっかりライン競走で決めてくれたことが嬉しかったです。どちらが前でも勝てることを見せてくれたこと、自力選手の層がぐんと厚くなったところを見ると、5月に平塚で行われるG1、日本選手権競輪への期待が、より一層、大きくなりました!

また、今回は神奈川のライン競走に屈した三谷竜生選手でしたが、2月の全日本選抜競輪では2年ぶりにG1決勝に進出。今回の決勝戦でも1度だけでなく、突っ張られたあとも再び仕掛ける走りを見せてくれていました。平塚では、ダービーの優勝実績もありますので、三谷選手の復活の春も楽しみにしています。

それぞれの選手が、日々苦しい練習を耐え抜き、バンクで花開くべく頑張っています。
私も車券で応援して、当てて、春爛漫と行きたいところです!

※北井選手の写真は、過去に別開催でパーフェクタナビ編集部が撮影したものです。
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【恋して競輪ハンター・過去コラム】
128Hunting「新人でなくなる前に」
127Hunting「10年目の奈良記念」
126Hunting「脱タテ目!」
125Hunting「最恐の走りに震えた和歌山記念」
124Hunting「泣けるオッズ」
123Hunting「清水裕友が好きだ!」
122Hunting「ヤケクソかヒラメキか」
121Hunting「記憶にとらわれ過ぎない競輪予想を」
120Hunting「新人選手を追いかける楽しみ」
119Hunting「それでもリングに立ち続ける」

【略歴】

木三原さくら(きみはら・さくら)

1989年3月28日生 岐阜県出身

2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。
好きな選手のタイプは徹底先行!
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。

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