『森泉宏一の実況天国』Vol.97

最近、筆者がYouTubeを視聴する際、トップページにある「あなたへのおすすめ」に、お笑いコンビ・U字工事さんのチャンネルがよく表示されます。元々、U字工事さんが好きな筆者なので、視聴履歴などから、おすすめに表示されるようになったのだと推察。

【U字工事チャンネル】

U字工事さんの様々な企画動画一覧を眺めていると、ひときわ目を引くのが「ギャンブル飯」と大きく書かれたサムネイル。美味しいものを賭けた企画＝ギャンブルという意味ではなく、公営競技場における食事を紹介する動画です。

主に、競輪場が中心ですが、オートレース場やボートレース場で収録された動画もあります。
面白いのは、レース場だけでなく、場外車券売場での食事を紹介する企画まであること。
先日は、前橋競輪場を訪れた時のものが公開され、場内グルメに舌鼓を打ち、その合間に、車券予想も堪能されていました（この日は、本場でのステージイベントを控えていたため、飲料はノンアルコールでしたが）。
これが面白く、またU字工事さんお二人の人柄も相まって、気付けばチャンネル登録をしていた筆者。
普段、視聴しているYouTubeチャンネルのレギュラーリストに加わり、日々のYouTubeライフを堪能しています。

話は変わりますが、巷では「ゲーム実況」というものがあり、多くの方が視聴して楽しまれています。
※ゲーム実況：動画共有サービスやライブ配信サービスでゲームをプレイする様子を配信すること。そしてゲームの映像や音声に、プレーヤーによる解説や視聴者のコメントも入る。

ゲーム実況の人気の理由は、ここでは割愛しますが、自分ではなく、人がやっているゲームを見ることが、なぜウケるのだろうと考えていると、
「自分でやるのもいいけど、それを見ることで、自分も一緒にそのゲームを楽しんでいる感覚になる」
というのが、様々な要因のうちの一つのようです。

先述した、U字工事さんの動画も同じなのかもしれません。自分では行ったことのないレース場を、代わりに体験してもらっている感覚で、視聴しているところもあるのでしょう。
また、ゲーム実況では、気になるソフトであったり、人気が故に入手困難なソフトを、代わりに解説してくれることもあるそう。
これも、見方を変えれば、
「あのレース場の◯◯、気になっていたけど食べたことがない」
「でも美味しそうに食べている。よし、今度行った時は食べてみよう」
という流れに、似ているのかもしれません。

新聞や雑誌、ウェブ記事など、公営競技の旅打ちをテーマにしたものが人気があるのも、
「代わりに行ってくれる」
「一緒に旅打ちをしている気持ちになる」
「以前から気になるレース場。見ていたらやはり行きたくなってきた」
これがあるからなのかもしれないですね。私も、旅打ち系の記事は、競技に関係なく、よく目を通しています。

出演している「チャリロト劇場　燃えろ！！オートレース」や、レース場での現地ライブ配信。
これらも、少し見方を変えれば、
「自分と同じような予想をした出演者が、それを購入して、その様子を見て、当たった時、ハズれた時、それぞれの気持ちを共有できる」
というものが、あるのかもしれないです。

「自分の代わりに楽しんでくれる」

ジャンルを問わず、それが親しまれる理由なのでしょう。

そして、前述のU字工事さんの動画を観ていると、改めて「現地の良さ」を感じずにはいられません。
特にここ数年、我々はコロナ禍に苦しめられ、現地に行きたくても行けないという時期を味わいました。
今はインターネット投票も充実し、気軽に競技を楽しめるようになった一方、無観客レースなどもあった経緯から、「現地の良さ」を忘れている方も多いと思います。
そんな方々に、感覚を呼び起こしてもらう＿＿。
動画や旅打ち記事には、そういった効果もあるのかもしれません。