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2020/03/30

P-Navi編集部

サイクリング屋久島(前編)

サイクリング屋久島(前編)

二つ目のエイド『宮之浦』に到着。島内の中心街であり、店舗やホテル、各種施設が立ち並ぶ。ここで34km、コースの1/3を走った計算になる。雨に打たれ、身体が冷え始めており、屋根のあるスペースに、ホッとする。アツアツの具沢山スープ、柑橘の甘煮、むらさきいものかからん団子、サバとらっきょう、漬物の和え物、ぼたもち、ふかし安納芋……と、手をかけられた品々が並ぶ。
まずスープをいただく。具沢山で、良い香り! ゆっくり味わいたいと思いながらも、温かさが嬉しく、一気に飲んでしまった。冷えた身体にスープがしみわたる。甘いものが多くとも、安納芋の素材の甘み、ほどよい砂糖の甘さと、酸味や苦味とのバランスがよい金柑の甘煮、餅のやさしい甘み、と、ひとつひとつの甘さが違うため、甘党でなくともおいしくいただける。サバとらっきょうの和え物も、料理屋で出てもおかしくないクオリティーだった。天候が急変し、ぼうぜんとした様子で到着する参加者もいたが、このエイドで皆が元気をチャージし、笑顔になったようだ。

サバとらっきょうの和え物。料亭の味だった

バイクの調子が悪くなった参加者のバイクのチェックを行うMAVICサポート

バイクを取りに行くと、足元がかなり悪くなっていた。次のエイド『永田』では、大会名物のブッフェランチが待っている。いざ、出発!
中心市街地を抜けると、道幅が狭くなり、緑に囲まれた道に戻る。島の最北端である志戸子の集落が近づくと、美しい海が見えてくる……はずなのだが、雨音が会話をかき消すほど強く響く雨の中、海景色を楽しむ余裕もない。ねずみ色になった一湊の海水浴場を切なく眺め、先へ。さらに雨と風が厳しくなってきて、路面に溜まった雨が波打つ。強風に煽られ、ハンドルを取られてコントロールを失い、ヒヤッとすることも。落ち着くように自分に言い聞かせ、身体を低くして、ペダルを踏み込む。しかし、まったく思うように進まない。

景観を眺めるべく止まれども、強風にあおられる。晴れたら、絶景が続くのだけれども

大雨で路面に溜まった水が強風に煽られ波模様を描く

トラブルに備え、メカニック車も同行

人だかりのあるテントが見えてきた。「この先、上りです。その前に休憩していってくださーい! お手洗いもあります!」と、男性が声をかけている。プライベートエイド??
テントには、数名のスタッフが待機して、温かい麦茶や、もち、菓子類をふるまっていた。非公認エイドで、この量!? 驚きつつも、躊躇していたら「いいよいいよ、ポケットに入れて持っていきな!これから上るんだよ」と、温かい声が飛んできた。ありがとうございます! エイドスタッフさんや居合わせた参加者の皆さんと会話に花を咲かせることで、ここまでの緊張感から解放され、皆が笑顔になった。本当にありがたい。上り坂なら身体も温まるはず! 行こう! 100m程度の高低差を上る坂が、このあと2つ待っているようだ。

皆が思わず笑顔になったプライベートエイド

たくさんのお菓子が並ぶ

どれをもらおうかな?あれもこれも食べてみたくなる

この上りはペースを守っていけば、すんなりクリアできる走りやすいものだったが、このあたりからコース内の上りパートに差し掛かる。気を引き締めていこう。

後編に続く!

写真提供:2020サイクリング屋久島&屋久島ヒルクライム/編集部

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