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2023/09/06

P-Navi編集部

走ってみっぺ南会津!2023(後編)

走ってみっぺ南会津!2023(後編)

順調に、最後のエイドに到着。第1エイドだった場所が、そのまま最終エイドになっているのだが、帰路は冷たいそばが振る舞われる。ここまで食べ通しでいるものの、食感がよく、つるりと入ってしまう。このエイドまで来てしまえば、もうゴールまでは、あとわずか。完走は、ほぼ確実だ。ここでは地面に座るなど、リラックスして過ごしている参加者が多い。楽しかった時間も終わりが近づいている。なんとなく、名残惜しい気持ちもあって、お互いに声をかけあって交流していた。この大会は、一昨年までは最後に最大の難関が待ち受けており、この場所でもどこか浮かない表情を浮かべている参加者もいたが、いまは晴れやかだ。


最後のエイドで振る舞われた冷たいそば。添えられた名産のきのこも、つるりとおいしい!


皆でわいわいそばをすする

筆者も再出発。ここから、スタート会場への上り口まではあと数キロ。この美しい夏の風景を目に焼き付けておこう。
ほどなく、上り口に到着。ここからのラスト3kmの登坂が最後の難関「だった」。というのも、昨年から「超MAXサボってみっぺ」という制度が始まり、上りが得意でない参加者は、軽トラに自転車を積んで上がれることになったのだ。9㎞走ってきて、最後に最大の登坂が残っているのは、正直、辛い。ラストが気がかりなあまり、思いきり楽しめなかったり、この難関がネックで参加を断念したり、という層もいたはずだが、この温かい措置により、あらゆる層が参加でき、ライドを心おきなく楽しめるるようになった。初年度の昨年は、予想を上回る大人気で、軽トラがピストン輸送を繰り返し、ドライバーが休憩もできない「大繁盛」だったため、体制を強化して2年目を迎えたという。


軽トラで最後の坂をクリアする「超MAXさぼってみっぺ」は今年パワーアップ!


スイスイ坂を上るのがとても楽しいらしく、昨年は「軽トラが一番思い出に残った」という参加者も。「とびきりのアトラクション」とも言える存在に

今年は、待機用テントも用意されており、万全の体制。やってきたドライバーさんが、てきぱきと参加者を誘導し、搭載できる人員と自転車を積んで出発して行く。2年目にして、プロのサービスのようにスムースだ。筆者の目の前でも、速やかに乗り込んだ参加者が、手を振りながら優雅にゴールを目指して上って行った。軽トラ登坂も、とても楽しいらしい。もちろん、がんばって走った最後のごほうびだからこそ、なのだが。


お子さんフル搭載のトレーラーを引いて登坂するツワモノも!

筆者は、せっかくの機会であるし、坂を自力でゆったりと上ることにした。一部勾配がきつくなる部分もあり、焦らず自分のペースで上るのが大切だ。えっちらおっちら上り、終盤に差し掛かると、音楽が聞こえてきた。
来たー!
これも大会新名物の、アレだ。
どうやら、この時間帯は「それが大事」が歌われているようだ。昨年から、大会のMCがゴールで応援ソングを歌い続けるという「はげまし」が始まり、昨年は「負けないで」を5時間歌い続け、話題になった。今年は曲のバリエーションを増やし、数曲の応援ソングをMCたちが歌っているようだ。「負けないこと、投げださないこと……」の歌詞が、汗だくになってペダルを回す身に、妙に滲(し)みる。


歌うMCの棚橋さん。30km組のゴールから数時間応援ソングを歌い続けたという


先にゴールしていた「悪魔おじさん」ら、参加者も一緒に応援

先にゴールした一般参加者も多く応援に出てくれていて、「あと少し!」と、声をかけてくれる。お礼を言いながらペダルを回し、フィニッシュラインを目指した。ゴール脇ではMCと数名のゲストの方々が笑顔で歌って盛り上げてくれていて、どこかの番組のフィナーレのような高揚感! こんなに盛大に自分ごときのゴールを祝われることに、少々恐縮しながら、フィニッシュゲートをくぐった。


参加者が歌で迎え入れられながら、次々フィニッシュ

もちろん、軽トラで上がってきた参加者も、同様のもてなしでゴールを祝福してもらえる。最後の選択肢の違いのみで、ライドに参加し、コースを走ったことに変わりはない。胸を張ってフィニッシュしてよいのだ!
ゴール後は、冷たいドリンクと完走証を受け取り、ゼッケン番号による抽選の結果をチェックして、解散。とてもスマートだ。

フィニッシュの盛り上げもあり、ゴール後の参加者は、笑顔、笑顔。これほど、フィニッシュ地点が明るいライドは珍しい。コースは絶景の連続で走りやすく、エイドはあたたかく、難所のスキップも可能ながら、達成感はやっぱり満点。いろいろな意味で、濃く記憶に刻まれる1日であったろう。リピーターが多いのも納得の楽しみどころ満載の2日間だった。
「走ってみっぺ南会津!」は、来年も開催予定。開催日の発表は来年になると思われるが、予定をチェックしておいてほしい。来年は一緒にフィニッシュの感動を分かち合おう!

画像:走ってみっぺ南会津!(Naoki YASUOKA)、編集部

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