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2022/09/08

P-Navi編集部

シマノ・バイカーズフェスティバル

シマノ・バイカーズフェスティバル

大会を通じて、大きな話題になったのが「ドロップハンドル90分エンデュランス」レースだ。これまでオフロードを走るのは、ゴツゴツのタイヤを履いたMTB(マウンテンバイク)が一般的で、この中に、クロスカントリー、ダウンヒルという用途の違いや、ファットバイクなどのタイヤのサイズ違いの車種が含まれていた。さらにシクロクロスという冬場のレースで用いられるバイクもオフロード走行ができるものの、レースバイクという位置付けであった。
ここに近年「グラベルロード」が登場。ドロップハンドルのロードバイクでありながら、太いオフロード対応のタイヤを履き、中には衝撃を吸収するサスペンションも付け、路面を選ばず走れるバイクで、じわじわと支持を広げている。このカテゴリーは、シクロクロスとグラベルロードというオフロード対応のドロップハンドル付きバイクに限定し、90分の耐久レースとして初めて開催された。

スタートは「ル・マン」形式が採用され、参加選手は、指定の場所にバイクを置き、均等に離れた位置に整列し、スタートの号砲とともに、走ってバイクに向かい、飛び乗ってレースをスタートさせる。さらに注目されたのが、ショートカットポイントが設けられ、くじ引きで「当たり」を引けば、ショートカットできるという運任せのシステムが採り入れられた点だ。運営側としては、選手が集中し、接触が起きるリスクを減らしたいという思いから導入したそうだが、結果として、遊びゴコロ満載の企画になった。「当たり」を引いた周回ではラップタイムが一気に短縮され、レースの行方がとても面白いものになった。

ルマン形式のスタート
走る、走る、走る。自転車レースでは非常に稀な「全力疾走」。観客は大いに盛り上がった

当たりを引けばショートカット
なんと、当たりを引けばショートカットOK!?

ランをもこなさねばならない参加者は「しんどいよ!」などと笑顔で文句を言いながらも、楽しんでいる様子。ドロップハンドルのバイクゆえに、走行スピードも速い。これまでのオフロードレースにはないスピード感あふれるレースとなった。また、これまでオンロードレースに参加してきた層がこの大会に参加するきっかけになり、大きな可能性を秘めたレースとなった。

レースカテゴリーのこの日最後の種目は、クロスカントリーでは、4時間と2時間の耐久レース、ダウンヒルでは全長約1070m(高低差187m)のコースを2~3名のチームで一丸となって駆け下りる「チームダウンヒル」。個々の力に加え、チームの団結力も問われるレースで大盛り上がりとなり、この日のレースは幕を下ろしたのだった。

山本幸平さんを先頭にスタート
4時間耐久は長く日本のトップを走り続けた山本幸平さんを先頭にスタート

ダウンヒルレース
チーム一丸となって駆け下りるチームダウンヒル

この日、会場内には、出展社ブースと試乗コースも設営され、にぎわいを見せた。だが、一口に「試乗」と言っても、スケールが違う。用意されたコースは3種類。このラインナップが、とても贅沢だった。シングルトラックのオフロード用コース、激坂のゲレンデでe-バイクの力を試せるコース、そして公道を含む舗装道路、砂利道、林道、農道などあらゆる路面を試すことができる2.6kmのメインコース。2.6kmもの距離をリアルな路面で試走できることなど、滅多にない。さまざまな路面に対応するバイクが並ぶこともあり、しっかりと走行性能やフィーリングを試せるこのコースは非常に好評。景観が豊かだったこともあり、感想を聞くと「試走のつもりで出たが、ただライドを楽しんで走り終えてしまった」と笑顔で語る参加者も。いずれにしても、満足度はピカイチだった。

自転車の展示ブース
ずらりと並んだ展示ブースが参加者を楽しませる

もう一つの目玉は「バイカーズマルシェ」。地元の名産品が並ぶ人気企画だ。今年は富士見近郊の八ヶ岳山麓から諏訪湖周辺には味にうるさい層が認めた絶品のパンを売る70~80店のベーカリーからスタッフが厳選したパンを入荷、数量限定で販売することになった。マルシェには、地元の朝採り野菜やハムベーコンなどの畜産加工品も並ぶ。中でも「メロンより甘い八ヶ岳生とうもろこし」は、すぐに完売する人気ぶりだった。「しあわせ卵」と名付けられた地元の農業実践大学校が生産する、卵殻がパステルブルー色の、南米に生息するアローカナという鳥の卵など、人気のお取り寄せ商品も並び、マルシェには参加者だけでなく、一般観光客も多く立ち寄っていた。

バイカーズマルシェ
近年人気のバイカーズマルシェ。人気商品は早々に売り切れる

しあわせ卵
卵殻がパステルブルー!お取り寄せで人気の「しあわせ卵」も販売

翌朝が明け、2日目もクロスカントリーでは、ビギナーやキッズレース、さらに2時間耐久、ペア走行ができる30分マラソン、ダウンヒルでは、スターティングリスト順に出走するダウンヒルが開催され、ツーリングも8つのライドが開催された。
最後の種目は、未就学児の自転車かけっこ「ミルキー」だ。車輪が付いた乗り物であれば、種類は問わず、親のサポートもOKとあって、ベビーカーに乗せられた0歳児から出走可能となっている。今回から会場がゲレンデ下に移り、美しい景色を背景に開催されることになった。

自転車かけっこミルキー
やや緊張した面持ちでゴールを目指す子どもたち

自転車かけっこミルキー
ゴールのチェッカーフラッグに向けて走る!

ベビーカーで参加
最年少出走は生後4カ月の赤ちゃん。パパが代わりにダッシュ!

ベビーカーで参加する乳児もいれば、レースばりに全力で駆け抜ける子もいる。走る姿が愛らしく、観戦客も多く集まる人気のカテゴリーだ。今年も多くの愛らしいドラマが展開され、大人たちは目を細めて見守った。

シマノサポートライダー
ミルキーの最終組の後ろには、このイベントを支えたシマノサポートライダーたちが並んだ。ライディング教室の講師やレースサポートなど、2日間フル稼働した

多様なコンテンツが展開され、多くの参加者が、全力で楽しんだシマノ・バイカーズフェスティバル。久しぶりの開催となった今年は、改めて、そのジャンルの広さと、それらをそれぞれのスタイルで満喫する参加者の姿を見て、まさに夏のフェスティバルだったと感じた。

ミスとシャワーを浴びるキッズライダー
会場内のミストシャワーを全身で浴び、涼むキッズライダーたち

0歳の赤ちゃんからシニア、超初心者からベテランライダーまで、誰でもたっぷりと楽しめるシマノ・バイカーズフェスィバル。来年の夏休みのスケジュールに加えてみてはいかがだろうか。

画像提供:株式会社シマノ(シマノ・バイカーズフェスティバル)、編集部

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