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2023/07/20

P-Navi編集部

全日本選手権ロードレース2023(男子エリート)

全日本選手権ロードレース2023(男子エリート)

静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター(以下、日本CSC)で6月23日~25日の3日間、、ロード競技の全日本選手権が開催された。最終日の25日には、マスターズの各カテゴリーと、男子エリートのロードレースが開かれた。

※全日本選手権ロードレース2023(女子エリート+U23)のレポートはこちら

男子エリートのレースは、過酷な8kmサーキットを20周する160kmの設定で開催。世界的にも、ナショナル選手権の設定距離は短くなる傾向があるようだが、今回、距離は短いものの、獲得標高は5,000mを超える。ナショナル選手権としては珍しい、非常にタフな設定で競われることになった。


アップダウンしかない厳しいサーキットを20周する設定(画像出典:JCF大会資料)

昨年に続き、世界の最高峰であるUCI(世界自転車競技連合)のワールドツアーチームに所属する新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が、大会連覇を目指して帰国参戦するとあり、大いに注目を集めた。新城は直前に開催されたアジア選手権では銅メダルを獲得している。


ディフェンディングチャンピオン新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。今回も、単騎での参戦となる

国内勢は、ツール・ド・熊野の第1ステージで優勝した山本大喜(JCLチーム右京)を擁するチーム右京や、同レースの第2ステージを制した兄、山本元喜(キナンレーシングチーム)の所属するキナンレーシングチーム、一昨年のチャンピオンである草場啓吾(愛三工業レーシングチーム)の愛三工業レーシングチームなどが、チーム力にも優れており、有望とみられた。またUCIワールドチームであるEFエデュケーション・イージーポストの育成チームであるEFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチームの「本場で鍛えられた力」も注目された。


会場にはフードや地元のブースが並び、早々に多くの商品が売り切れたという

この日の日本CSCには、多くの観客が訪れ、スタート前から会場は大いににぎわっていた。気温は時間が経つにつれ上がり、日差しも強い。朝から開催されていたマスターズのレースが終わる頃には、立っていても暑さが辛く感じられる状態に。

そして午前11時。コース沿いを埋めた観客たちの拍手と歓声に見送られ、124名の選手たちがスタートして行った。長く、厳しい戦いになるだろう。


厳しいレースにスタートしていく124名の選手

1周目は、様子を見る形になったのか、ペースは速いものの、集団のまま静かに推移し、ほとんど動きがないまま終了。


最初に動いたのは、やはり阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)。逃げのスペシャリストだ


JCLチーム右京が先頭を固め、集団が前を追う

だが、早くも2周目に決定的な動きが生まれた。阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)がアタック。ここからレースが活性化し、スプリント力にもすぐれた岡篤志(JCLチーム右京)や山本元喜らが飛び出し、有力選手が合流した。
この結果、8名の集団が形成された。ここには、山本元喜、岡に加え、山本大喜、井上文成(シマノレーシング)、本場のレースを経験してきた注目の若手 石上優大、トラックレースでも強みを見せる渡邊翔太郎(以上 愛三工業レーシングチーム)、ベルギー育ちの橋川丈(EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム)、石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)と、有力チームから力のある選手が送り込まれており、メンバーを送り込めていないチームが圧倒的に不利となる展開に。


早々に8名の集団ができる。有力チームの実力ある選手が多く含まれ、逃げ切りの可能性もある集団だ

だが、メイン集団には、計り知れない能力を持つ新城が残っており、どこかのタイミングで次の動きが生まれる可能性も十分にあった。メンバーを送り込んでいるチームはもちろん、その他からも、積極的に集団を統率するチームは現れなかった。


木々が鬱蒼と茂る、真夏日のサーキットを抜けていく

選手は、この厳しいサーキットを淡々と回る。6周目、先頭8名とメイン集団の差は5分まで開いた。
ここでしびれを切らせた新城が動いた。この動きに呼応して、宇都宮ブリッツェンが集団の牽引に加わる。


差が縮まらず、集団を見限った新城が自ら動く。だが、執拗なマークを振り切ることはできなかった


メイン集団が8名を追うが、追走の足並みは揃わない

メイン集団を飛び出し、先頭を追う追走の動きも出始める。だが、すでに両グループの差はかなり大きく、好ペースで先頭を走るメンバーに迫ることはできなかった。

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