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2021/05/22

Perfecta編集部

E-バイクで走る「クマイチルート」Day1

E-バイクで走る「クマイチルート」Day1

和歌山県紀南地方に、壮大な「クマイチサイクリングルート」構想が立ち上がった。総計240kmにも達するこのルートは、世界遺産として知られる熊野エリアをぐるりと大きく1周するものだ。島や湖などをサイクリングで1周するライドの達成感は大きく、多くのサイクリストが琵琶湖や淡路島などを1周することを「ビワイチ 」「アワイチ」と地名に「イチ」を付けた名称を付け、親しんでいる。それになぞらえ、このルートも「クマイチ」と名付けられた。このクマイチを盛り上げようと、3月13日にシンポジウムが開催され、さらには3月13〜14日の2日間に渡り、クマイチルートの一部を走るモニターツアーが開催されることになったのだ。


美しい自然に恵まれたクマイチエリア

このクマイチルートは、美しい海岸線や川、緑豊かな山間の道など、環境にも恵まれているが、熊野は歴史の中では、上皇さえも熊野三山に参詣した背景を持つ特別な地域。熊野という地域が持つ文化的価値も大きな魅力であり、他のメジャールートよりも、「地域を1周する」ことの意味合いも深い。今後、世界的に人気が出るポテンシャルも十分に有していると言えるだろう。


自然豊かな分、アップダウンも多い

今回のルートは、自然が豊かな分、アップダウンも大きく、距離も長い。とはいえ、脚力に自信のある層だけの楽しみになってしまってはもったいない! そこで、進化型電動アシスト「E-バイク」の登場だ。E-バイクは航続走行距離が100kmを超えるものも多く、アシストも細やか。道中に宿泊などを組み込めば、脚力に自信のない方でも、クマイチの走破は十分可能だろう。今回のツアーでは、2日間で117kmあまりを走る。全員が楽しんでこの距離を完走できるか、という検証にも注目が集まった。


ツアー用にズラッと並んだE-バイク。貸し出し可能なE-バイクがこれほどあることに、地域の底力を感じる

シンポジウム閉会後、会場となった上富田文化会館から2日間にわたるクマイチモニターツアーがスタート。数名ごとにグループを作り、「リーダー」が付き、先導してくれる。地図などを持たずに安心して走れる設定だ。1日目は、県内複数のエリアで自転車を楽しむ方々が、それぞれのグループのジャージで参加し、華やかなライドとなった。

上富田は「口熊野」と呼ばれ熊野参詣路の分岐点にあたるエリア。ツアーでは、最初に「口熊野」の人気スポットである「稲葉根王子」を訪れた。この「王子」というのは、熊野神の御子神を祀った神社であり、最盛期の熊野の参詣路には「熊野九十九王子」と呼ばれる多くの王子があったという。この「稲葉根王子」は、その中でも格式の高い「五体王子」(「五体王子に準じるもの」とする説もあり)とされ、辿ってきた参詣者が聖なる水が流れる富田川(岩田川)と出合う場所でもあり、非常に意味の深い場所だったそうだ。熊野詣の参詣者は、この川の対岸にある複数の王子を訪ねながら、この富田川を徒歩で何度も渡り、浄化作用があると信じられた水で身を清めたという。「稲葉根王子」の付近には、「水垢離(水を浴び、身を清めること)場」のサインが掲げられている。


富田川そばに自転車を停め、徒歩で稲葉根王子へ

今回のツアーでは川沿いに自転車を停め、「稲葉根王子」を訪れた。小ぶりの神社であるが、清らかな空気が漂うスポットだ。熊野詣に向かった多くの人々が、どのような思いで訪問してきたのか、思いをめぐらせてみたい。


稲葉根王子跡

散策を楽しんでから、自転車を停めていた川沿いのエリアに戻り、再スタート。ゆったりと、キラキラ輝く水面を眺めながら川沿いを走る。


富田川沿いを進む

ほどなく、潜水橋が見えてきた。欄干などの突起物をなくすことで抵抗を減らし、増水時に破壊されたり、流氷物を堰き止め、洪水を防ぐシンプルな橋だ。水量もさほど多くなく、穏やかな川に見えるのだが、富田川は歴史の中で氾濫を繰り返してきたのだという。


潜水橋「畑山橋」を押し歩き。少し怖いが、見晴らしは最高!

リーダーより、橋は自転車を押し歩いて渡るように要請があり、全員自転車から降りた。この畑山橋の長さは174m、幅は1.6m。だが、実際はそれより細く見えるため、「乗って渡るのは無理だ!」「なんか怖いな」と参加者から感想が漏れてくる。遮るもののない橋の上からの眺めは新鮮で、よそ見をしないよう足元に注意しながら、美しい川と山や草原が広がる開放感のある眺めを楽しんだ。


アップダウンルートが始まる。E-バイクなら問題ナシ!


心なごむ春を待つ里山の風景を行く。連なる山々も美しい


山間の道を行く。景観は変化に富んでおり、飽きない

川を越えたあとは、いよいよアップダウンを繰り返す道が始まる。ここでE-バイクの本領発揮! どんな路面でも走破できるマウンテンバイクタイプのE-バイクは、安定感があり、乗りやすい。不安のあった下り坂も、ロードバイクのドロップハンドルと比べると、一文字ハンドルのブレーキは操作しやすい。よく効くディスクブレーキがついており、車輪がロックしてしまうほど急激に強くレバーを引きすぎないことさえ注意すれば、下りも問題なさそうだ。

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