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2022/06/04

P-Navi編集部

桜を求め、春のSakura Rolling Hillsへ

桜を求め、春のSakura Rolling Hillsへ

ここからこのルート内最大のヒルクライムパートが始まる。とはいえ、ペースを守れば、ビギナーでも上れる勾配だ。


ルート内最後のヒルクライムパートへ


勾配がややきついところもあるが「がんばる区間」があるからこそ達成感も大きい

穏やかに春を迎えた里山の中を走る。まだ枯れ木も残り、冬の景観に近い印象もあったが、通り過ぎる田園風景の中の土の色や、草の色、芽吹き始めた小さな新芽などから、冬が終わり、あたらしい生命が生まれる季節を迎えたことも感じられた。これから、日に日に春の色に彩られていくのだろう。


随所に「春の景色」を見つけて楽しむ


地域の集落に入り、軒先を走る。どこか懐かしさを感じる風景が広がる

「幸右衛門櫻」に向かう登坂がこのルートの最後の難所。ここが最後!と、渾身の力で坂を上る。峠では満開の桜が、皆を迎えてくれるはず、だったが、今回は膨らんだつぼみを付けた「幸右衛門櫻」が穏やかに我々を迎えてくれた。
「幸右衛門櫻」は、かつて狼に襲われた幸右衛門が、ふんどしに火を点けて狼を追い払い、この木の上に逃れ、一夜を過ごし、助かった、という伝説のある名木。ツッコミどころの多い伝説だが、この木が満開を迎えた姿の美しさは、疑う余地もない。
一緒に走ってくれた山本さんが前年のライドで撮影したという写真を見せてくれた。


2021年4月のライドの「幸右衛門櫻」。※ライドエクスペリエンス提供

満開ではないが、花を咲かせた桜の様子を思い計ることができた。


満開の「幸右衛門櫻」 ※石川町役場提供

実は石川町の町役場にも聞いたのだが、「幸右衛門櫻」の満開の写真は、過去のデータベースにもほぼなく、かなり昔のものしかないとのこと。ようやく1枚見つかったとのことで、譲り受けることができたが、今年も「幸右衛門櫻」は花を咲かせた期間があまりに短く、誰も撮れなかったと語ってくれた。幻の桜なのかもしれない。いつかこの目で、満開の桜を見てみたい。
休憩がてら、幸右衛門の伝説について語り合い、そして母畑温泉に向けて出発した。
道中も、春を迎えようとしている田園風景や集落の様子が美しく、ときどき自転車を止めて写真に収めた。まだ記憶に残る前回の景観と比べ、確実に季節が変わっているのが、なんとも感慨深かった。

下り切ると、母畑温泉の街に入る。山道と比べると、気温も少し違うようで、街の空気を暖かく感じる。


母畑温泉に帰着! 楽しかった

スタートした「八幡屋」に到着し、ライドはここで終了。人気の風呂に日帰り入浴をして、帰路に就いた。
一部の桜には出合えなかったが、そこかしこに春の訪れを感じ取ることができ、なんともいえないワクワク感を抱きながら走ることができた。「四季」のある日本ならではの楽しみだろう。
同じコースを晩秋と春に走ったことになるが、それぞれの魅力があった。田んぼに青々と稲が育ち、草木に緑の葉が茂り、すべてに勢いがある盛夏の光景も、美しいだろう。季節ごとの細やかな変化を楽しめて、どの季節も美しい景観が望めるコースは「定番コース」になりうると思う。
石川町、古殿町、どちらにもまだまだ魅力が詰まっていそうで、探索する価値がありそうだ!
FIT阿武隈地域は県境をもまたいでおり、楽しみ方にも多様な選択肢がある。すでにたくさんのコースが提案されており、それぞれの脚力や趣向に合ったルートを探すことができるだろう。さて、次は、どこに行ってみようかな。

画像協力:古殿町役場、石川町役場、ライドエクスペリエンス、編集部

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