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2023/09/04

P-Navi編集部

走ってみっぺ南会津2023!(前編)

走ってみっぺ南会津2023!(前編)

そして翌朝。メイン会場となる標高1000mの会津アストリアロッジに参加者が続々と集まってきた。
たとえ台風が来た年も、このエリアだけは雨が降らなかった、という強運に守られた「走ってみっぺ」だが、今年もその強運を発揮。南会津は快晴に恵まれていた。

会津アストリアロッジ
スタート地点となる「会津アストリアロッジ」

「走ってみっぺ」は、コース全てを走る100km(エントリーは中学生以上)と、途中で折り返す60km、30km(小学生以上で参加可能)の3コースが設定されている。ライドはスキー場から下った後、本格的な走行パートに入る。コースは「T」字形に設定されており、30kmは二つ目のエイドで折り返し、60kmは、「T」の左側のウィングにあたる方向に進み、高畑スキー場を越え、屏風岩まで行ってゴールに戻り、100kmは右側のウィング部分にあたる南郷スキー場方面まで行ってからゴールに戻る。
スタート会場への下りと上り以外は、目立ったアップダウンはないが、なだらかな勾配があり、どのカテゴリーも、帰路はじわじわと上る形になり、脚力のない参加者にとっては、厳しい要素となる。前半に飛ばしすぎない、はしゃぎすぎないことが重要だ。コース内は、心が晴れ晴れするような美しい田園風景や渓流が続き、疲れを吹き飛ばし、背中を押してくれる。

走ってみっぺ南会津2023
分けられた数十名ごとのグループの先導は、プロ選手などのペースメーカーが務める

ライドは、100kmの参加者からスタート。数十名ごとにグループを作り、ロードのプロ選手らが先導する。スピードを落とし、安全に下ってもらうためだ。冬季の降雪の影響で、路面には荒れている部分もある。スタート後は緊張や興奮もあるものだが、このペースメーカー制度のおかげで、大きなトラブルは起きていないようだ。
続いて60km、そして30kmがスタートしていく。交通量が多くないルートを使ってはいるが、分散してスタートすることで、地域の交通に負担をかけない配慮が施されている。

走ってみっぺ南会津2023
参加者が次々と夏の会津高原に繰り出して行った

この日は、最高気温は30度を上回ことが予測されてはいたが、東京の酷暑と比べたら、かなり涼しく、カラリとして走りやすい。ここ数年は9月の開催が続いていたが、7月は、木々や草原にはまだ黄緑色に近い若い葉も残っており、田畑も緑色。陽の光を浴びて輝く緑が、とても美しかった。
街の様子や田園風景を楽しんでいると、あっという間に第1エイドの「舘岩物産館」に到着。多くの参加者は、ここまではスタートから隊列を組んでやってくる。ここで自転車を降りると、一気に緊張がほぐれるようだ。おそらく、お土産品であろう、個包装のアーモンドクッキーが提供されていた。封を切り、さっそくいただくと、サクサクして、上質なお味。ドリンクを飲んで、エイドのスタッフの方々と会話を交わし、リフレッシュして、再スタート。気持ち的には、序章を終え、ここから「ザ・ロングライド」の展開が始まるような感覚だ。

走ってみっぺ南会津2023の第1エイドのクッキー
第1エイドでクッキーをゲット!まだ元気いっぱいだ!

自分の間合いで再スタートし、隊列を組んだり、自分のペースでゆったり乗ったりと、それぞれの好みの方法でコースを走っていく。
ほどなく、前沢曲家集落に差し掛かる。ここは国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、茅葺屋根の家々が並んでいる。中には、そば屋やカフェもあるのだが、こちらの家のほとんどは、今でも住居として使用されているそうで、実際に暮らしが営まれている住居群であるというところが、また価値のあるところと言えるだろう。この集落に立ち寄り、タイムスリップしたかのような感覚を楽しむ参加者も多い。

前沢曲家集落
集落の散策を楽しむ参加者。昔話の世界に飛び込んだような不思議な空間だ

茅葺屋根の資料館
茅葺屋根の資料館前にて

走るにつれ、この日、352号と並行して流れている舘岩川の存在感が次第に強くなってくる。いったん、集落を抜けるが、この後は山々を背負った田園風景が広がる。時折、天に向かってまっすぐ伸びた木々の脇を抜ける涼しい林や渓流も登場し、心を鎮め、和ませてくれる。

走ってみっぺ南会津2023
コースは川沿いの道にT字形に伸びている。序盤は舘岩川沿いを走る

スノーシェードを越えると、「T」字の分岐点はすぐそこだ。この分岐のそばに第2エイドが設定されている。
最初は「第2エイド」なのだが、分岐点近くにあるため、2回、3回と立ち寄る参加者も多い。そのすべてを、母のような寛容さで受け入れてくれるところがすごい。

※第2エイドで待っていたものは……!? 次ページへ→

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