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2021/10/20

P-Navi編集部

三菱地所おおいたアーバンクラシック

三菱地所おおいたアーバンクラシック

大分市で開催された「OITAサイクルフェス!!!2021」の2日目は、公道を使ったロードレース。今年は「三菱地所おおいたアーバンクラシック」として、10月10日に開催された。

「OITAサイクルフェス!!!2021」の1日目
おおいたいこいの道クリテリウム・レポートはこちら


美しい住宅街を駆け抜けるおおいたアーバンクラシック。UCIレースとしての開催は2年ぶりとなる

例年はUCI(世界自転車競技連合)認定の国際レースとして、海外チームを招き開催されるが、今年はコロナ禍にあり、UCI登録のコンチネンタルチームを中心に、クラブチーム、学生選抜チームなど、合わせて国内の13チームが参加する形になった。国内勢のみとはいえ、上位10位までの選手(UCI 1-2カテゴリーのレースの場合)には世界のランキングに関わるUCIポイントが付与される。今年、国内のUCIレースはまだこれで2つ目であり、選手たちにとっては非常に重要なレースになる。

レースが開催されるのは、1周11.6kmの大分スポーツ公園周辺の特設コースで、一般公道を中心に構成されている。コースが西洋風の美しい住宅街を貫き、景観に優れていることでも知られており、毎年多くのファンを集めてきた。


欧州のような街並みを走る「絵になる」レース


レースは暮らしの中のさまざまな景観の中を走る

今年は前日のクリテリウムと同様に、コース沿いでの観戦の自粛が要請されたが、スタートゴールが設営される昭和電工ドーム大分周辺には、無料の抗原検査所を設営。ワクチン2回の接種済み証明か、抗原検査の陰性証明を提示した証拠であるリストバンドを着ければ、沿道での観戦やパブリックビューイングに参加できるスタイルで、この日を待ちわびてきたファンは観戦を楽しむことができた。
レースはこの特設コースを時計回りに13周する、150.8kmに設定された。険しい上りはないが、平坦部が少なく、丘陵地の住宅街のアップダウンを抜けていくため、周回を経るごとに、疲労が脚に来る。また、コーナーが多いため、集団でまとまりにくく、隊列が長く伸びる傾向もあり、攻略の難しいコースと評されてきた。これまで、先頭集団が思いがけない逃げ切りを果たすなど、ドラマも生んできた名コースである。

レースは朝9時スタートにもかかわらず、この時点で気温はすでに30度に迫っていた。選手たちに緊張感が漂う中、大分市の佐藤樹一郎市長らが号砲を鳴らし、レースがスタートした。


地元のスパークルおおいたレーシングチームを先頭にレースがスタート

さっそくアタックがかけられ始めるが、どの動きも決定的なものにならない。疲労やリスクを嫌ったのか、集団をコントロールするチームも現れず、落ち着かない状況のままレースが進んでいく。有力そうに見える抜け出しやペースアップが起こされても、結局動きが持続せず、吸収されてしまう。丘陵地帯を越え、スピードのアップダウンが繰り返されていく中で、選手たちは次第に消耗していった。


次々とアタックがかけられるが、どの動きも決まらない


細かいアップダウンが繰り返される中で激しい動きが続き、選手たちは消耗

7周目、大きな動きが生まれた。数名の抜け出しを集団が飲み込むタイミングで、フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)が抜け出し、ここに数名がジョインする形でスルスルと先行しはじめたのだ。この動きを数名が追って合流。集団の隙をつき、巧みに抜け出した選手たちは7名。ようやく、先頭集団が誕生した。
この中に入ったのは、今季好調の山本大喜(キナンサイクリングチーム)、前日のクリテリウムを制した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、重要な動きによく反応して入ってくる印象が強い小石祐馬(チーム右京相模原)、表彰台の常連になりつつあるスプリンターの岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、積極的に動いてきた風間翔眞(シマノレーシング)と西尾勇人(那須ブラーゼン)。力のあるメンバーが揃った。ここまでの選手たちの消耗度から考えると、この日のレースは決まったかと思わせる動きだ。


有力選手で7名の先頭集団が形成された

多くの有力チームが先頭に選手を送り込んでおり、メイン集団の先頭に立つのは、シエルブルー鹿屋など送り込んでいないチームが主体となってくる。集団全体の意思の団結がなく、メイン集団はペースアップすることが難しくなった。
激しい動きが続いたことで、多くの選手たちが疲弊しており、先頭集団はタイム差をみるみるうちに開いて行き、ラスト5周の段階で、タイム差は2分20秒にまで開いていた。宇都宮ブリッツェン、シマノレーシングなども牽引を行うが、やはり集団のスピードは上がらない。

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