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2021/10/19

P-Navi編集部

三菱地所おおいたいこいの道クリテリウム

三菱地所おおいたいこいの道クリテリウム

20周目にトラブルが発生。ラスト500mのコーナーを越える際、集団の中程で落車が発生した。大きな落車ではなかったが、数名が足止めを食らい、集団の後方の速度が鈍った。この日の本命だったスパークルおおいたのメンバーをはじめ、多くのスプリンターが後部に固まっており、先頭をひいていたマトリックスが状況を確認すると、一気にスピードを上げ、振り切りにかかった。危険を察知した選手たちはこの集団に食らいついたが、集団は大きく二つに分裂してしまった。数名の選手たちが先頭集団への合流を果たしたが、このペースアップに耐えきれず、脱落する選手も出るほどで、先頭集団は18名に絞り込まれた。


集団が落車で分裂、集団をコントロールしていたマトリックスがペースアップし、後続を引き離しにかかる

先頭集団には、レースをコントロールすべく前方に位置していたマトリックスパワータグと、宇都宮ブリッツェンから5名ずつが入り、有利な状況に。他は、チーム右京相模原から3名、キナンサイクリングチームから2名、ヴィクトワール広島、VC福岡、愛三工業レーシングチームから1名ずつが入っていた。


集団が千切れ、追いつくことができず後続集団に取り残されてしまった選手たち


マトリックスは先頭に立ち続け、集団のコントロールを続ける

引き続き、マトリックスパワータグが集団前方に陣取り、レースのコントロールを続ける。20周回、30周回目の周回賞は安原大貴(マトリックスパワータグ)が獲得。レースを完全にコントロールし、あとは擁するスプリンター吉田隼人(マトリックスパワータグ)の優勝を狙うのみという気迫を放つ。マトリックスの後ろには、宇都宮ブリッツェンが集合し、最終スプリント決戦に向かう準備を始めた。緊張感が高まってくる。

この均衡が崩れたのは最終周回、すなわちラスト1kmに差し掛かる手前だった。宇都宮ブリッツェンがマトリックスパワータグを抑え、先頭に迫り出し、その後ろに2名ではあるがベテランが食い込んだキナンサイクリングチームの白いジャージが上がる。それぞれのチームが、この日勝負をする選手を連れ、前方に上がってきた。


最終周回を目前に、宇都宮ブリッツェンが前方へ

スプリンター小野寺玲を牽引する西村大輝(ともに宇都宮ブリッツェン)を先頭にホームストレートに突入。ロングスプリントを始めた小野寺を、吉田隼人(マトリックスパワータグ)、中島康晴(キナンサイクリングチーム)が追うが、小野寺に迫ることはできなかった。小野寺は喜びを大爆発させながらフィニッシュラインを越えた。


ロングスプリントを決め、喜びのポーズでフィニッシュする小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)


期待を受けて戦った小野寺を称えるチームメイト

「終盤まで多くの選手を(先頭集団に)残せて、(皆が)いい形で集団をさばいてくれ、僕はそこについていくだけだったので、完璧なチームのサポートがあっての勝利だった」と語った小野寺。今日の勝利の点数を聞かれると、「自分のスプリントの特性を生かすことができた勝利だった」と振り返り、笑顔で「満点」と答えた。


笑顔で表彰に臨む小野寺、吉田隼人(マトリックスパワータグ)、中島康晴(キナンサイクリングチーム)

このレースは、国内のロードレースのプロリーグである「三菱地所JCLロードレースツアー2021」のポイント付与レースとなっており、順位に応じ、リーグ既定のポイントが与えられる。優勝した小野寺は260ポイントを獲得し、一気に個人ランキング首位に躍り出ることになった。中島康晴が3位で80ポイントを獲得している。U23に関しては、本田晴飛(VC福岡)が5位に入り、40ポイントと、U23の30ポイントを獲得。U23の首位を守っていた宇賀(チーム右京相模原)と同点に並んだが「直近のレースの上位者」という規定から、U23のリーダージャージの奪回に成功することになった。

翌日には、UCIポイントも付与される住宅街の公道を使ったロードレース「おおいたアーバンクラシック」が開催される。今季非常に稀な機会となったUCIポイントを獲得できるレース。激しい戦いになることが予想された。

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【結果】おおいたいこいの道クリテリウム(40km)
優勝者平均時速43.75km/h
1位/小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)54分51秒
2位/吉田隼人(マトリックスパワータグ)+0秒
3位/中島康晴(キナンサイクリングチーム)
4位/岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
5位/本多晴飛(VC福岡)
6位/安原大貴(マトリックスパワータグ)

【スプリント賞】
10周目/孫﨑大樹(スパークルおおいた)
20周目/安原大貴(マトリックスパワータグ)
30周目/安原大貴(マトリックスパワータグ)

画像提供:JCLロードレースツアー(株式会社ジャパンサイクルリーグ)

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